「AIっぽい日本語」の正体は7つの癖。どこを直すと自然になるか
AI に書かせた文章を読んで「意味は通っているのに、なんとなく不自然だ」と感じることがあります。この違和感は感覚的なものに見えて、実際には特定の癖の集まりです。分解できれば直せます。
ここでは、日本語の生成文に繰り返し現れる7つの癖を挙げ、それぞれについて書き換えの方針を示します。
1. 文末が単調
もっとも目立つのがこれです。「〜します。」「〜です。」「〜ます。」が3文以上続くと、読んでいて機械的な印象になります。
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4文すべてが「です・ます」の終止形で終わっています。人間が書くときは、無意識に文の長さと終わり方を変えています。
直すときは、すべての文を変える必要はありません。3文連続したら1つ崩す、という程度で十分です。
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文を結合する、体言止めを混ぜる、理由節でつなぐ。手段はどれでも構いません。
2. 受け身が多い
「〜と考えられます」「〜が求められます」「〜されています」。主体を隠す表現が続くと、誰が何をするのかが見えなくなります。
適切な管理が求められます。定期的な見直しが推奨されています。
誰が管理するのか、誰が推奨しているのかが書かれていません。能動態に直すと、書けないことが露見します。
担当者は月に一度、設定を見直してください。
主語を立てると、情報が足りない箇所がはっきりします。これは書き手にとって有益な副作用です。
3. 具体が抜けて一般論になる
AI は「一般的に正しいこと」を書くのが得意な反面、具体的な数値や固有の事情を落とします。
適切なタイミングで見直すことが重要です。
「適切」がどれくらいかは書かれていません。読み手が知りたいのはそこです。
月初の1営業日に見直します。前月からの変更が3件を超えた場合は、その時点で臨時に確認します。
一般論を具体に置き換えられないなら、その段落は削ったほうが記事は良くなります。一般論は文字数を増やすだけで、読み手の判断を助けません。
4. 接続表現が過剰
「また」「さらに」「そして」「加えて」が段落の頭に並ぶ癖があります。
また、コストの削減にもつながります。さらに、運用の手間も減ります。加えて、ミスの防止にも効果があります。
3つの並列を接続詞で数珠つなぎにしています。並列なら箇条書きにするか、接続詞を落として並べたほうが読みやすくなります。
コストが下がり、運用の手間も減ります。入力ミスも起きにくくなります。
日本語の接続詞は、なくても意味が通るなら落としたほうがよいことが多い品詞です。
5. 同語反復と二重表現
「まず最初に」「あらかじめ事前に」「約〜程度」「必ず必要」。意味が重複した組み合わせが混ざります。
AI は丁寧に書こうとして修飾を重ねるため、この種の重複が起きやすくなります。片方を落とせば済みます。
同じ名詞が1段落に3回以上出てくるパターンもあります。「本ツールは〜。本ツールでは〜。本ツールを使うと〜。」のような繰り返しは、2回目以降を指示語にするか、主語を省略します。日本語は主語を省略できる言語なので、毎文に主語を置くと不自然になります。
6. 抽象名詞が主語になる
「〜という点が挙げられます」「〜という側面があります」「〜の実現が可能です」。動詞で書けることを名詞にして、それを主語に据える書き方です。
業務効率化の実現が可能となります。
業務が効率化します。
後者のほうが短く、意味は同じです。「〜の実現」「〜の向上」「〜化を図る」といった表現が出てきたら、動詞に戻せないか試してみてください。
7. 締めが定型
「いかがでしたでしょうか」「ぜひ参考にしてみてください」「〜が重要と言えるでしょう」。記事の最後に、内容と関係のない定型句が付きます。
これは AI 特有というより、Web記事のテンプレートを学習した結果ですが、読み手には「中身のない締め」として認識されます。最後の段落は、具体的な次の行動か、注意点で終わらせるほうが読後感がよくなります。
直す順番
7つ全部を一度に見ようとすると疲れます。効果の大きい順に、次の順序をおすすめします。
- 文末の連続(見た目でわかる。効果が最も大きい)
- 一般論の段落(削ると記事が締まる)
- 受け身(主体を書くと情報の穴が見つかる)
- 残り4つ(余裕があれば)
「AI判定ツール」との違い
「AI率」を出す検出ツールがいくつかありますが、目的が違うことに注意してください。検出ツールが答えるのは「AIが書いたように見えるか」であり、「読みやすいか」ではありません。人間が書いた硬い文章も高いスコアが出ます。
直したいのが文章の読みやすさなら、AI率という指標は判断材料になりません。見るべきは、上に挙げた7つが実際に起きているかどうかです。
このサイトでは、AI率を出さずに、文末の連続・受け身・冗長表現・二重表現・指示語の多さを指摘する推敲支援ツールを準備しています。判定ではなく、どこをどう直すかを示すことを目的にしています。公開したらツール一覧に並びます。
最後に
ここまで挙げた癖は、AI に限った話ではありません。急いで書いた人間の文章にも同じことが起きます。 AI の出力が不自然に見えるのは、これらが同時に、しかも一定の密度で現れるためです。
逆に言えば、7つのうち上位3つを直すだけで、読んだときの印象はかなり変わります。全文を書き直す必要はありません。