AIで作ったサイトに広告を貼りたい。無料ホスティングの規約を全部読んだ
AIに頼めばサイトが作れるようになりました。できたものを公開するのも、GitHubに繋いで数分です。そこまで来ると、次に思うことは決まっています。「広告を貼って、せめてドメイン代くらい回収できないか」
このサイトを作るときも同じことを考えました。そして、ホスティング先を決める段階で規約を読んでいたおかげで、貼ってから消す羽目にならずに済みました。
結論から書きます。Vercelの無料プラン(Hobby)では、Google AdSense を貼れません。 規約に名指しで書かれています。
Vercel Hobby は AdSense を名指しで禁止している
Vercel の Fair Use Guidelines に、商用利用の定義があります。原文はこうです。
Hobby teams are restricted to non-commercial personal use only. All commercial usage of the platform requires either a Pro or Enterprise plan.
そして「商用利用」に当たる例として、5つが挙げられています。
- Any method of requesting or processing payment from visitors of the site
- Advertising the sale of a product or service
- Receiving payment to create, update, or host the site
- Affiliate linking is the primary purpose of the site
- The inclusion of advertisements, including but not limited to online advertising platforms like Google AdSense
最後の1行です。**「Google AdSense のようなオンライン広告プラットフォームを含む、広告の掲載」**が、はっきり書かれています。「グレーゾーン」ではなく、サービス名まで挙げて明示されています。
(2026年9月14日に確認。このページの last_updated は 2026-07-29 でした)
寄付は商用利用に当たらない
同じページに、こういう注記もあります。
Asking for Donations does not fall under commercial usage.
寄付の募集は商用利用に当たりません。 ここはあまり知られていない気がします。広告は駄目でも、「よければ支援してください」というリンクを置くのは規約上問題ない、という区別です。
Pro にすると年いくらか
規約を守るなら Pro プラン($20/月)が必要です。1ドル150円として年間約36,000円。
月1,000円を目標にしているサイトだと、年間の目標収益が12,000円です。ホスティング代のほうが3倍高い。回収できません。これは節約の問題ではなく、構造的に成立しないという話です。
もちろん、収益が月3,000円を超えてくれば話は別です。そのときは Pro にする価値があります。問題は、規約違反の状態で運用しながらそこを目指すことになる点です。
他のサービスはどうか
このサイトを作るときに比較した4つについて、それぞれ確認した内容を書きます。
Cloudflare Pages
無料プランで商用利用が明示的に許可されており、静的アセットの帯域が無制限です。月10万PVでも転送量による課金がありません。
無料プランの制約はこのあたりです。
| 項目 | 無料プランの上限 |
|---|---|
| ビルド回数 | 月500回 / 同時1ビルド |
| ビルドのタイムアウト | 20分 |
| 1ファイルの最大サイズ | 25 MiB |
| 1プロジェクトの最大ファイル数 | 20,000 |
_headers のルール数 |
100 |
_redirects のルール数 |
2,100 |
| 静的アセットの帯域 | 無制限 |
個人が記事とツールを置くサイトで、これらに当たることはまずありません。収益化を前提にした個人サイトなら、ここが素直な選択です。
ただし注意点が1つ。apexドメイン(www なしのドメイン)を使うには、Cloudflare のネームサーバーへの移管が必要です。これは公式の仕様で、回避できません。ドメインを他社で取っている場合、その手続きが挟まります。
AWS Amplify Hosting
商用利用に制限はありません。ただし従量課金です。無料枠はありますが、新規AWSアカウントの12ヶ月間のみで、その後は使った分だけ支払います。
料金は2026年9月14日時点で次のとおりです。
| 項目 | 料金 |
|---|---|
| データ転送(外向き) | $0.15 / GB |
| ビルド | $0.01 / 分(Standard) |
| ストレージ | $0.023 / GB / 月 |
無料枠(12ヶ月間)の内訳は、ビルド1,000分/月・CDNストレージ5GB/月・データ転送15GB/月です。
「無料枠があるから」で選ぶと、13ヶ月目に請求が始まります。すでに別のアプリでAWSを使っている場合、その12ヶ月は既に終わっている可能性が高いので、最初から従量課金だと思っておくほうが安全です。
実額は別記事の「無料ホスティングの『無料』がいつ終わるのか」で試算しました。結論だけ書くと、個人サイトの規模なら致命的ではありません。
Netlify
無料プランでも商用利用は可能です。帯域は無料枠100GB/月で、超過分は従量課金になります。
GitHub Pages
利用規約上、商用サイトを禁じてはいません。ただし「オンラインビジネスやEコマースサイトのような商用目的での利用は想定していない」という趣旨の記載があり、広告を貼る前提のサイトを置く先としては座りが悪いです。
技術的にも、apexドメインでのリダイレクト制御とレスポンスヘッダーの制御が弱いという制約があります。後述する404の扱いのような、SEOに直結する調整がやりにくくなります。
選び方
このサイトは、既にAWS環境があったという事情で Amplify を使っています。ゼロから選ぶなら判断は変わります。
| 状況 | 向いている先 |
|---|---|
| 広告で収益化したい個人サイト | Cloudflare Pages(商用可・帯域無制限) |
| 既にAWSを使っている | AWS Amplify(従量課金だが統合が楽) |
| 収益化しない、作品置き場 | Vercel Hobby でも問題なし |
| 寄付だけ受け付ける | Vercel Hobby でも規約上は可 |
Vercel が悪いという話ではありません。 開発体験は優れていますし、規約も曖昧にせず明示している点はむしろ誠実です。問題は、「無料で公開できた」という体験のあとに規約を読む人が少ないことです。
一番まずいのは「知らずに貼っていた」状態
AdSense の審査に通ってから規約違反に気づくと、選択肢が3つしか残りません。
- Pro にする(年36,000円)
- 広告を外す(収益化を諦める)
- ホスティングを移す(ドメイン設定からやり直し)
3が現実的な落としどころですが、移行の作業はサイトを作る作業とは別物です。設定ファイルの形式が違い、リダイレクトの書き方が違い、DNSの切り替えが挟まります。AIに「移行して」と頼んでも、コンソールでの操作までは代行してもらえません。
先に規約を読むほうが、圧倒的に安上がりです。 読むのは10分です。
まとめ
- Vercel Hobby は Google AdSense を名指しで禁止している。規約の商用利用の定義に例として書かれている
- 寄付の募集は商用利用に当たらない
- 規約を守るなら Pro($20/月 ≒ 年36,000円)が必要で、月1,000円規模の目標とは釣り合わない
- 収益化前提の個人サイトなら、商用可・帯域無制限の Cloudflare Pages が素直
- AWS Amplify は商用可だが従量課金。無料枠は新規アカウントの12ヶ月のみ
- 規約や料金は改定される。 ここに書いたのは2026年9月14日に確認した内容で、判断の前には提供元の最新の記載を必ず確認すること
作る前に決めておけば10分の作業です。貼ってから気づくと、数日かかります。